●マルクーゼ
AD1898
1898〜1979 ドイツ生まれのアメリカの哲学者。ベルリン大学とフライブルク大学に学び,フッサールやハイデガーの影響下にヘーゲル哲学を研究。1931年,フランクフルト社会研究所に加入,ホルクハイマーやフロムと協同してマルクス研究を推進,実存主義的マルクス解釈の先鞭をつけた。1934年,ナチスの手を逃れてアメリカに亡命。1940年にはアメリカに帰化し,第二次世界大戦後はコロンビア大学やハーバード大学などのロシア研究所をへて,1965年,カリフォルニア大学教授となる。『理性と革命』(1941),『エロスと文明』(1955),『一次元的人間』(1964),『ユートピアの終焉』(1967)などの著作において,フロイトの精神分析をマルクス主義の社会理論に組み入れ,文明の現実原則によって生じる一次元的人間疎外をのり越えるためのエロス的快楽原則の解放を説いた。労働と遊戯の一致を理想とする現体制への〈偉大なる拒絶〉は,1960年代学生運動の支柱となった。