●マフザン
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アラビア語で「倉庫」を意味することばであるが,もともとは税の貯蔵庫のことであった。モロッコは,7世紀後半にイスラーム帝国の支配下に入り,その後も東方のイスラーム王朝と対峙しつつ歴代のイスラーム王朝の出現をみて今日にいたった国であるが,この国でマフザンといえば,国庫を意味することばであった。のちに意義が派生して,中央政府またはその代表者たちをさすようになったため,国家権力が直接支配する地域のことも,“マフザンの土地”と呼ぶようになった。一方,オスマン帝国治下のアルジェリアでは,封建領主である太守(ベイ bey)に直接仕える部族をマフザン部族と呼んだ。イスラーム社会は,家族(アイーラ)・氏族・部族(カビーラ)という重層的な血縁集団を構成の基礎としていたが,なかでも部族は,太守に誠実に仕えることを名誉とする倫理観をもっていた。なおオスマン帝国内の軍事集団イエニチェリはまったく異質なもの。