●マハーバーラタ
アジア インド AD
『ラーマーヤナ』とともにインドの代表的な叙事詩。本文18編・付編を合わせると10万頌にのぼり叙事詩としては世界最大。パーンダヴァ・カウラヴァ両王家の戦争を主題とする内容にさらにさまざまな伝承・説話・哲学詩などが付け加えられてゆき,グプタ時代に完成したと考えられる。本来世俗的な内容であった叙事詩がのちに宗教文献として利用しようとしたバラモンたちによって『バガヴァドギータ』なども加えられた。『マハーバーラタ』収載の説話のなかで有名なものは「シャクンタラ姫の物語」「リシュヤ・シュリンガ仙の物語」などであるが,後者は『今昔物語集』巻5の第4「一角仙人,被負女人,従山来王城語」となった。なお,それと同種の物語は『太平記』巻37や『三国伝記』巻2の第28「一角仙人事」,さらに謡曲「一角仙人」にも現れている。また,歌舞伎「鳴神」は「一角仙人」に素材をとったものと考えられている。