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●マヌ法典 マヌほうてん

アジア インド AD 

 成立の下限は西暦200年ごろとされ,それ以来のインド法典類のなかでも最も優れたものであると同時に,バラモン教・ヒンドゥー教の生活の支柱となった。一般にそれ以前の律法経より,法典が成立したとされるが,マヌ法典も,ヴェーダーの一学派のマーナヴァ派の律法経に立脚したものとされる。12章2,684条よりなり,内容は,現代的意味の法律的規定は4分の1で,宇宙論・宗教・道徳・倫理等に関する事項を含み,四種姓の権利・義務・生活期の通過儀礼,種々の通過儀礼を規定し,輪廻・解脱までに及んでいる。法律的条項としては,国家や国王の行政上事項・相続法・婚姻法などを含んでいる。立脚点はマーナヴァ派であるにもかかわらず全インド的性格を持ち,やや理念的・文学的・教訓的色彩が強いため,インド人の生活のみか内面にも深い影響を与えつづけた。バラモン中心の四種姓=カースト体制維持に貢献したが,下位階級には厳しい。