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●松永貞徳 まつながていとく

アジア 日本 AD1571 室町時代

 1571〜1653(元亀2〜承応2)歌人・俳人。名は勝熊。逍遊・松友など多くの号をもつ。晩年は京都五条の住居にちなみ,五条の翁・花咲の翁とも呼ばれた。祖先は鎌倉時代駿河の豪族入江氏であったが没落し,父永種(えいしゅ)は東福寺の僧籍に若き日に入り,のち還俗して連歌師となっていた。貞徳は二男であったが,兄が出家したため家を継ぎ,父から和歌・歌学の手ほどきを受けた。父の縁もあって九条稙通・細川幽斎など多くの師に恵まれた。とくに大きな功績は,それまで知識人の座興にすぎなかった俳諧を,文芸の一形態として確立し,貞門という流派を組織,全国に普及させたことである。その他,和歌・歌学・狂歌・連歌の各分野にわたり,足跡をとどめた。俳諸書の『油糟』『淀川』『御傘』のいわゆる三部作をはじめ,各分野に実に多くの著述がある。

〔参考文献〕小高敏郎『松永貞徳の研究』1953

小高敏郎『松永貞徳の研究・続篇』1956