●靺鞨 まっかつ
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隋唐時代に現在の中国東北地区に居住していたツングース系諸族の総称。多くの部族にわかれていたが,粟末(ぞくまつ)・伯咄(はくとつ)・安車骨(あんしゃこつ)・払涅(ふつでつ)・号室(ごうしつ)・黒水(こくすい)・白山(はくさん)の7部がとくに有力で,靺鞨七部と総称された。粟末部は北流松花江流域で吉林を中心に,伯咄部は粟末部の北,北流松花江最下流域に,安車骨部は黒龍江省阿城県方面を中心に,黒水部は黒龍江省依蘭県以東の車流松花江最下流域から,黒龍江との合流点にいたる地域に住んでいたと考えられるが,各部の住域については,学説が多く,必ずしも正確な比定ができていない。南方の粟末・白山の2部は高句麗に服属していたので,668年(総章1)高句麗が唐に滅ぼされると,その部衆は唐の支配下に入ったが,やがて高句麗の遺民に協力し,渤海国を建てた。渤海国が版図をひろげるにしたがい,他の靺鞨諸部もそのなかに包含されていったが,黒水部だけは唐と通じ勢力を保ち,渤海と対立した。一般には,靺鞨諸部は,ツングース系民族とされるが,黒水部については毒矢の使用・人尿の利用・地下式住居などその特異な習俗から,古(パレオ)アジア族に比定する説もある。