●町奴 まちやっこ
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江戸時代初期の江戸市中の侠客。男達(おとこだて)ともいう。戦国時代的で殺伐な旗本奴の横暴に対抗した市井の任侠の徒。「弱きを助け,強きをくじく」仁侠を重んじ,義理に厚い幡随院長兵衛が有名。彼は,浅草で割元(人夫口入業)を営み,町奴白柄組の頭目で,1651年(慶安4)旗本奴神祇組頭水野十郎左衛門と争い,水野邸の湯殿で殺されたという。しかし後年はでな服装で徒党を組み,無頼の行為が多く,たびたびの禁令に会い1686年(貞慶3)火付盗賊改中村勘解由の逮捕処刑で勢いは衰えた。男達は1718年(享保3)設置された町火消の本職鳶人足となり,平常は土木の手伝をした。幕末火消の頭となった新門辰五郎は,浅草のてき屋のわらじも履いていた。農村の地主を顧客とした博奕打である。彼らを男達という場合もあるが,侠客とも呼ぶ。幡随院長兵衛に代表される江戸初期の弱きを助け強きをくじく気風は失われたが,講談では強調された。