●マスロー
北アメリカ アメリカ合衆国 AD1908
1908〜70 アメリカの人間主義的性格心理学者。多くの心理学者が人間の行動原理について,苦痛からの逃避・欠乏の充足のような暗い側面を強調したのに対し,幸福や喜びの追求のような明るい側面を強調する。彼によれば,人間は遺伝的に決定された要求・能力・可能性をもつ。これらのかくれた本性は訓練や教育によって手なずけられるべきものではなく,生長に伴いそれらがおのずと“自己実現”されるとき,健康な人格が生まれる。また,この実現が環境によって妨げられることが精神病理的症状を生む。具体的には,人間の生得的な要求は強さ・優先性に関して階層をなし,それは,飢えや渇きのような生理的要求,安全への要求,所属と愛への要求,自尊への要求,自己実現への要求,知識のような認知への要求,美への要求の順である。ある段階の要求が満足されたときに,はじめて次の段階の要求が人間の行動原理となるとされる。