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●マザール

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 イスラームの聖廟のことで,「参詣(ズィヤーラ)の場所」の意。イスラームには本来,定められたメッカ巡礼(ハッジ)があるが,後代には預言者崇拝・スーフィズム・十二イマーム派の発達とともに聖者崇拝が盛んになった。スーフィズムではバグダードにあるアブド=アル=カーティル=アル=ジーラーニ廟をはじめ,イスラーム世界各地のいたるところに大小無数の聖廟がある。十二イマーム派では歴代イマーム廟のほか,その血縁のイマーム=ザーデ廟がイランを主として,いたるところに分布している。聖廟は聖墓を中心に建てられている聖域だが,聖墓には祝福を授ける呪力(パラカ)が宿ると信仰されており,ムスリムの善男善女がお参りして,この聖なる力を浴びる。参詣者は病気なおしや祈願(ドゥアー)のために来る。聖廟では聖者の年忌または誕生日に祭りが行われ,そのときには市がたって賑わい,参詣人が遠方から訪れる。週の各木曜の夕べも参詣の日である。