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●馬鍬 まぐわ

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 おもに水田の砕土・地ならしに用いる農具。マングワ・マンガ・モガなどともいわれ,また『新猿楽記』(11世紀中ごろ)には「馬耙」,『今昔物語』(12世紀初)には「馬歯」とある。馬鍬の名で呼ばれる農具は,形状・使用法から二つの系統に分けられる。一つは台木(桁)に10本内外の歯をつけ,上部に鳥居形の取手をつけたものである。これには台木を湾曲させたり,V 字状につくった谷馬鍬,歯の前列に円板を付けた薬研馬鍬,同じく歯の前列に回転歯を付けた車馬鍬や飛行機馬鍬と呼ばれるものもある。一般的には馬や牛に曳かせて用いるものだが,舟馬鍬といい,田舟の後部に馬鍬を取り付けて人間が押して使うものや,振り馬鍬といい,鳥居形の取手をもって左右に振って使うものもある。もう一つの系統の馬鍬は,台木に数本の歯を付け,棒状の柄をすげた T 字形の杁(えぶり)状のものである。これは柄をもって前後に掻いて用いる。田こすり馬鍬などともいわれ,多くは水田の代掻きの仕上げに使われ,杁と同じ役割をもっている。稲作の過程では馬鍬洗いなどといわれる儀礼もあり,馬鍬による作業は重要なものだった。

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