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●枕草子 まくらのそうし

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 随筆。清少納言(せいしょうなごん)作。1001年(長保3)ごろ成立。作者は,993年(正暦4)一条天皇の藤原定子(ていし)に仕え,約10年間の宮中生活を送るが,そこでの体験・見聞・感想が中心的に記されている。長短300余の章段から成る。三つの形態に分類できる。(1)日記的章段 主として宮仕え中の見聞で,中宮定子を中心とする華麗な後宮(こうきゅう)生活の記録。(2)類聚的章段 「山は」「虫は」または「すさまじきもの」「あてなるもの」などのような形式のもの。(3)随想的章段 冒頭の「春はあけぼの」の段のように,自然や人事に対する自由な感想を述べる記事。これらのいずれにも,作者の鋭い審美的感覚をうかがうことができる。『源氏物語』の「もののあはれ」とは異なり,対象を「をかし」ととらえる感性は,のちの連歌・俳諧方面や江戸期の仮名草紙などに,影響を与えた。簡潔な文体で,文章は短く区切られることが多い。