●蒔絵 まきえ
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平安時代に完成された日本独特の工芸技法で,一般的にいえば木地に漆で文様を描き,金・銀・錫などの粉末・色粉等を蒔きつけ絵模様を表したものである。ふつう漆塗上に施すが木地そのほかにも応用できる。工程の上から基本的な技法として3種がある。すなわち絵漆で文様を描いてから粉を蒔きつけ,全面に漆を塗り,これが乾いてから木炭で研ぎ,磨いてから仕上げる“研出蒔絵”,絵漆で文様を描いて粉を蒔き,文様の部分だけ漆を塗って磨いた“平蒔絵”,木炭粉や砥粉を用いて文様を肉取りした上に蒔絵を施す“高蒔絵”の3技法である。またこれらの技法はおのおの単独にあるいは総合されて施されたり,螺鈿・平文(ひょうもん)・截金(きりかね)・彩(いろ)漆などが併用されるので,すこぶる複雑である。このほか金粉を器物の全面に密に蒔き散らした平塵(ひらちり)・平目地・梨地,金・銀・錫など縁どった沃懸地(いかけじ)なども蒔絵である。