●前掛 まえかけ
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労働時に衣服の汚れを防ぐために用いる服飾。古くは着物の上から前に下げたので前垂れと呼んでいたが,江戸中期ごろから前掛というようになった。当時は女子だけが用いていた。材質は麻か木綿であったが,後に紬・銘仙・縮緬なども使われるようになり,実用性ばかりでなく,装飾的な要素も加わってきた。江戸末期には男子や子供も使用するようになった。形態は仕事の種類によって異なり,商人は一幅の丈の長い前掛,農山村では三幅前掛で丈はひざ丈の短いものが多く,地域によって特色がある。一般に農作業用前掛は紺木綿・紺絣・縞などを用い,袷仕立てにし,色糸で飾り縫いをしたり,赤い幅広の紐を付けて帯の役目もするなど,実用的で美的に考えられている。現在は漁業用のゴム前掛・運送用帆布前掛・家庭用割烹前掛・洋風のサロンエプロンなどがある。西洋のエプロンは衣服の一部であり装飾用で,公の場所でもエプロンの付いた民族衣裳を着用している。