●ポーンペイの位階 ポーンペイのいかい
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かつてポーンペイ(ポナペ)島では一人の王が全島を統一した時代があったが,その後,現在は英語でミュニシパリティと呼ばれる五つの行政区が,それぞれマタレニウム・ウー・キチ・ジョカージ・ネットと名乗る独立した王国(wehi)となり,いまでは別個の行政区となっているコロニアの町は,当時はネットの一部であった。そして,それぞれの王国には,位階(ムワール)の定まったナンマルキ(ソーペイディ)系とナンケン系との2系統の王族集団ができあがっていき,その位階体系は今日までつづいている。この二つの系統ではナンマルキ系統の方が上位で,ナンマルキを王,ナンケンを副王と考えてもよいが,ナンマルキが死ぬと同系統のワシャイがナンマルキになり,ナンケンがナンマルキになることはない。つまりナンケン系統からナンマルキ系統には移れない決まりで,逆にナンマルキ系統からナンケン系統にも移れない。しかし通常ナンマルキ系統の男はナンケン系統の娘と結婚しており,ポーンペイも母系制なので,生まれた男子はナンケン系統となり,逆の場合も同様なので,ナンケンは決してナンマルキになれないが,ナンケンがナンマルキの姉か妹と結婚していれば,そのあいだに生まれた息子はナンマルキ系統の位階を昇っていくので,ナンマルキになり得る。むしろナンマルキ家とナンケン家は,両系統の最高位が他家に移らないようにクロス-カズン-マリッジをしているのがふつうである。このように旧王族に二つの位階系統があり,それぞれ位階名称があるばかりでなく,それぞれの夫人も位階をもっているので,2系統4種類の位階があり,さらに旧王族以外にも同様に2系統4種類の位階がある。なお,位階は一般に結婚して初めて与えられ,子供には与えられない。位階を授けるのはナンマルキである。別表ではそれぞれ10位までをあげたが,実際には50位くらいまでつづき,かつては250位くらいまであったといわれる。さらに最近では,そのほかに,伝統的社会では身分が低くても,行政官や司法官として高い地位についた者などには,一代限りの別系統の位階を与えることが行われている。