●本所・領家 ほんじょ・りょうけ
アジア 日本 AD
本所は,荘園領主で,検田や年貢量の決定,農民に対する検断権など実際の支配権である荘務権をもつものをいう。本所は『式目抄』に〈本所トハ領家也,元来ノ領主ヲ云也〉とあるようにとくに鎌倉時代以降において,しばしば領家と同意義に用いられ,実際には,領家が実際の荘務権をもつ本所である場合が多かったことを反映している。しかし,一方では,はじめに寄進をうけた領家が,摂関家や天皇家などさらに上位のものと寄進契約を行ったとき,これを本家あるいは本所と称する。このように,荘園領主は本家一領家の権利関係にあり,そのどちらかの荘務権そのものを意味する本所であるものが,荘民や荘官によって,荘園の領家や本家を呼ぶときの名称として用いられたと考えられる。本家は,根本領主・開発領主および領家の力で荘園を護りきれないときにさらに有力な権門の保護を求めるものであるから,皇室の場合はほとんど本家職だけであった。