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●本家(荘園) ほんけ

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 荘園の領主または領家の上に位する名儀上の所有者。平安時代中期以降,地方の開発領主らは国衙の圧迫から逃れるため,「国衙の非法を停止せられんがため」「御威勢を募り奉らんがため」と称して所領を権門勢家に寄進し,自らは荘官となって在地における実質上の領主権を確保するようになった。寄進を受けた公卿や寺社は領家と称し,荘園領主としての支配権や年貢・公事の一部を得分とする収益権を領家職といった。領家の政治力では護りきれなくなった場合,さらに上位の院・宮・摂関・大寺社に領家職の一部を寄進して本家と仰ぎ,荘園領主権の保持をはかって自らを本所と称した。こうした荘園寄進の盛行した院政期以降,美福門院に直接寄進して本家と仰いだ播磨国矢野荘のような荘園が現れた。そこでは,本家が荘園の検注を行うなど領家として臨む「本所進止」の権をもつのがふつうであった。

〔参考文献〕安田元久『日本荘園史概説』1957,吉川弘文館