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●ボン教 ボンきょう Bonism

アジア アジア AD 

本教。仏教伝来以前からチベットに存在する民族宗教であり、中央チベットでは pon 、西チベットでは bon 、南チベットでは pon と発音され、中国語では本教・笨教(ペンチャオ)と呼ばれている。現在は西チベットのガリコルスム地方、東チベットのカム地方, (康蔵)、西ネパール、インドのヒマチャルプラディシュ州およびラダク地区などにボン教徒が多い。伝承によれば、前5世紀に西チベットのオモルンリンの谷に生まれたシェンラブミーボバラモン神学の影響を受けてボン教を開いたと伝えられている。チベットに仏教が伝来後、8世紀から10世紀にかけて政権争いにまき込まれて仏教とのあいだに争いをおこし廃仏・廃ボンを繰り返し、ランダルマ王の宗教禁断により衰退したが、11世紀になりアティシャのチベット仏教復興運動に伴い、仏教と協力して復興し、仏教化したボン教として再生した。これを白ボンと呼び経典が整備され、教義も九つに統一された。これに対しあくまで仏教との妥協を拒否して自然神崇拝と呪咀を中心とする一派は黒ボンと呼ばれ、深山幽谷に行場(ぎょうば)を構えて密呪・秘行を守っている。現在ボン教には9流の枝派があり、9を聖数として尊び、卍(左旋萬字)をシンボルとし、鳥居や注連縄(しめなわ)を飾る。また礼拝時ラマ教徒が右巡してオムマニペメフムととなえるのに対しボン教徒は左巡してオムマチムイェサレドゥととなえる。また白ボンでは経典も整理され、ユンドゥン(信条)・ド(経)・ギュ(タントラ)・ドゥル(律)・ンガグ(密呪)などに分類され、14世紀以前に成立したものを古伝典籍、15世紀以後のものを新伝典籍という。新伝典籍は論が中心であり、ほとんどがチベット語チベット文字で書かれている。古伝典籍はさらに、北伝・南伝・中央伝康伝・後伝に分類され、すべての典籍がシャンシュン語・シャンシュン文字で書かれている。このシャンシュン語・シャンシュン文字は現在ではボン教古伝典籍のみにみられる言語で、チベット語よりも古典サンスクリット語に近く、西チベットのシャンシュン地方でも今は死語となって使用されていない。


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