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●ボールディング

ヨーロッパ 英国 AD1910 ハノーヴァー・ウィンザー朝

 1910〜 イギリスのリバプールに生まれ,のちにアメリカに帰化した経済学者。彼の立場は,伝統的な経済学の枠にとらわれずに,政治・宗教・自然科学などのあらゆる分野から必要なものを取り出し,社会システム理論として体系づけようとするところにある。したがって,彼の研究上の対象領域はきわめて多岐にわたっており,人口・組織・成長・情報・エコロジー・紛争などの諸問題に関して重要な貢献をしている。また,経済学の枠組みを拡大しようとする彼の議論のなかで特筆すべきは“贈与”と呼ばれる概念である。彼によれば,社会構造を組織するものとして,交換システム・脅迫システム(奴隷経済などにみられる一種の強制システム)・統合システム(地位の相互承認にもとづく愛・尊敬などによって形成されるシステム)の3種があり,交換システムは,従来の経済学が対象としてきたものであるが,それ以外に重要なものとして脅迫・統合という“贈与”があるとされる。彼は経済学を“交換可能物”に関わる学問であると規定し,単に交換システムのみを扱うものではなく,広く贈与経済をも包含したものとして捉えなければならないと提唱する。

〔参考文献〕ボールディング,公文俊平訳『経済学を超えて』1970,竹内書店

ボールディング,公文俊平訳『愛と恐怖の経済学』1974,佑学社