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●勃律 ぼつりつ

アジア 中華人民共和国 AD 

 唐代に西北インドのカシミール北部,インダス川上流域にあった国。北はワハン回廊,西はラダクに通じ,チベット・西北インド・東西トルキスタンの結節点にあたる軍事・交通上の要衝。勃律の原音は Bru-sa で,鉢蘆勒・波路・鉢露羅布露などとも写される。もと1国であったが,吐蕃の圧迫を受けるに及び,国王はギルギットに逃れて旧本領のバルチスタンと対峙する形勢となった。前者を小勃律,後者を大勃律と呼んで区別する。開元年間(713〜741),吐蕃安西四鎮攻略への道を借りると称して小勃律に迫った。唐は軍勢を急派して事なきを得たが,その後吐蕃は小勃律王と婚姻関係を結ぶなどして懐柔に成功,唐の西域経営に重大な脅威を与えるにいたった。747年(天宝6),安西副都護高仙芝は小勃律を急襲,国王を捕えて長安に送り,小勃律に唐軍を駐留させて吐蕃の進出意図をくじいた。751年(天宝10),タラス会戦での唐軍大敗ののち小勃律は再び吐蕃の勢力下に入った。