●ボッティチェルリ
ヨーロッパ イタリア共和国 AD1444 両シチリア王国
1444年,5月〜1510年フィレンツェ生まれ。フィリッポ=リッピに師事し,その強い感化は初期の聖母像や「ユウディトとホロフェルネス」によく描かれている。ヴェロッキオやポライウォロにも学び,写実研究の跡を「フォルテッツア像」「聖セバスティアヌス」などに遺し,天才的な曲線の表情・感傷的な詩情の片鱗をみせる。やがてメディチ家を中心とする古典文学者たちの異教的雰囲気に刺激されて描いた傑作「ラ=プリマヴェラ(春)」や,「パラスとケンタウロス」などは,詩的精神と自然研究の美しい結晶といえよう。30歳を過ぎると先輩カスターニョの峻烈なレアリズムの影響を受け,オニサンティ寺院の「聖アウグスティヌス」やウフィッツィの「三王礼拝」を描いた。その後ローマでシスティーナ礼拝堂の壁面装飾などに従事。38歳フィレンツェに帰りついに歴史的名作「ヴィーナスの誕生」を描き,晩年にはダンテの神曲の挿絵に精魂を傾けた。