●坊っちやん ぼっちゃん
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小説。夏目漱石著『坊っちやん』は,1906年(明治39)4月雑誌「ホトトギス」に『吾輩は猫である』(十)と同時に掲載,翌年1月「草枕」「二百十日」と3篇を『鶉籠』として春陽堂刊。その後,単行本ともなった。その執筆は,3月14〜25日ごろ,10余日で一気に書き上げたようで,「四国辺のある中学校」として設定しているが,住田温泉など,松山を想定しての作である。漱石は,1895年(明治28)愛媛県尋常中学校(松山中学校)教員として赴任,翌春熊本の五高に転任した。在職1年間の見聞を,坊っちゃんの眼を通して,離松10年後に構成,社会の悪や偽りに対して怒りを爆発させ,親譲りの無鉄砲な正義感ぶりを発揮,その義侠心に富む庶民的な言動はとんちんかんな結果となり,自ずと滑稽を生み,諷刺的小説となっている。善玉の直截的な悪玉制裁は痛快で,青少年愛読書の第一,漱石初期の傑作。〔参考文献〕荒正人『評伝夏目漱石〈作品と作家研究〉』1967,実業之日本社
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