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●北海道旧土人保護法 ほっかいどうきゅうどじんほごほう

アジア 日本 AD1899 明治時代

 アイヌ保護を名目に“農耕民化”“皇国臣民化”をはかり,1899年(明治32)施行された法律で,現在も一部存続している。場所請負制の廃止,アイヌ風俗の制限・禁止,拓殖事業など明治政府による一連の北海道開拓政策は,アイヌ民族の文化および生活権をも剥奪していった。このため困窮しつつあるアイヌの保護を論議した結果,生まれたのがこの法律である。その骨子は,1戸当り1万5,000坪の土地無償給付,薬価の給付,小学校設立など13条よりなる。しかし,これは近世における2度の幕領期の施策と同様,異民族アイヌを日本人化させる意図のもと成立したものであった。この結果,大正5年には農業従事者53%,旧土人学校21校で就学率94%に達した。永年,狩猟・漁労・採集に従事してきたアイヌには,農業が不適で開墾率も低く,離散したり土地を手離してしまったものも多い。また,教育は修身・国語を主として徹底した皇民化がはかられた。さらに“旧土人”の呼称は,異民族であるアイヌを被差別者として民衆の最下層に位置付ける結果となる。こうした政策は,その後の日本のアジア侵略のなかでも一貫して用いられた。なお,この法律は“悪法”との評価を受けて久しいが,現在,道内のアイヌ系住民の団体である北海道ウタリ協会は,少数民族保護などの立場からこれにかわる新法の制定を国や北海道に要望している。