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●捕鳥法 ほちょうほう

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 野鳥を捕獲する方法にはいろいろなものがある。[1]モチ猟 新潟県福島潟では,フジ蔓かシュロ縄にトリモチをつけたモチ縄を湖沼面に浮かべ,舟で遠巻きにしながら追って鴨をモチ縄にからませて捕るという猟法があった。また同県鎧潟辺では,蔓草にモチを塗って水面に流しておくモチ蔓という猟法や,スガ(絹糸)に油モチを塗り,竹に結びつけて田に張りまわし,下に呼び鳥を泳がせ,夜空を渡ってきた鳥が降りてきてモチ糸に触わると,ハジキ竹から外れたモチ糸にからめられるというタカヅナという猟法などもあった。西日本には,岩と似たような色にしたモチあるいは鳥の糞に似せた白色のモチを岩上に置いて,休みに寄る海鵜などを捕える方法が広くみられた。このほか,トリモチを用いる猟法として,モチをつけた竿で鳥を刺す餌差(えさし)や枝や縄にモチをつけて放置しておくオキモチなどがあった。[2]網猟

柄のついた網で鴨などをふせて捕るサカドリという猟法がある。これはおもに沼地から飛び立った水鳥を捕える古い方法である。鳥が寄ってくると速やかにひきおこして上からかぶせて捕る無双網という方法(これには囮を使うことが多い)や,ひそんでいる鳥にかぶせる投網という方法など,原始的なものも多い。このほかには霞網を使う方法もある。これは中部・関東地方の山岳地帯に広く行われた。囮を使って渡り鳥の群れをおびき寄せ,急に鷹の羽音のような音をたてて,その音に驚いた鳥が降りてきて網にかかるというものである。囮はツグミの雄を使うのがふつうであるが,網は絹や木綿などいろいろである。現在では,霞網猟法は禁止されている。[3]ハエ縄猟 福島潟では鴨のハエ縄という猟法があった。潟や水田の,夕方から鴨の降りそうな場所に,3尺くらいの丈夫な糸の先にイナゴ・小魚・蛙などをつけた釣針をつけ竹の棒に結びつけたものを底深く刺しておくというものである。[4]鴨のモロウチ 大きなタライの上に屋根をつくり周囲はヨシやガツボで覆い,覗き窓をつげたものをモロ(室)という。このタライに莚を敷き,布団・火床を入れたものを鴨の降りそうな場所に秋から春まで置く。モロまでは舟で行き,舟はヨシやガツボの舟隠しに入れる。猟師は飼いならした呼び鴨10〜20羽をモロの前面につないで泳がせ,日暮れから朝までモロで待つ。渡ってきた鴨は呼び鴨の声につられて水面に降りたところを鉄砲で撃つ。鴨が降りてくると,呼び鴨は両側に分かれるように馴らしておく。[5]首打ちクブチ・コブチなどと訛った形で呼ばれる古くからの猟法。木の実などを餌に小鳥を誘って,バネ仕掛けの一本の横棒で小鳥の首をはさむ。[6]笊・フルイ・桶などを棒で支え,その下に餌をまいておいて,小鳥などが入ると棒を縄で引いてかぶせて捕るもの。馬の毛を輪にしたものを通り路にかけたりもする。以上の方法のほかに,鷹を使う鷹狩や,弓猟・投柴猟などがある。鳥猟は個人的で単純な小狩猟であり,日本においては,クマなどの大型獣を捕獲する組織的な共同狩猟(大狩猟)は専門的な狩人に任されていたが,小狩猟は一般農民も広く参加し,伝統的な方法が普及していった。山野の開拓などによってあるいは鳥猟の娯楽化などともあいまって鳥獣は近代を境に激減してゆき,日本で1918年(大正7)に,保護策を織り込んで,現行「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」の母体である狩猟法が制定されるに至った。このなかで狩猟鳥類は46種と定められたが,現行法では25種となっている。法定猟具も定められ,霞網の禁止・わな猟(「くくりわな」「はこわな」「はこおとし」「とらばさみ」)の禁止・散弾銃の使用規定など,細かく指定されている。その他,禁猟区・保護区・猟区の設定,捕獲数の制限など,野生鳥類の保護が強力に実施されるようになったが,近年,鳥類の減少はいよいよ激しくなり,保護対策が急がれているのが現状である。

〔参考文献〕堀内讃位『日本鳥類狩猟法』1942

最上孝敬『狩猟採取経済の諸相』(『経済集志』32−4)