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●ボダン

ヨーロッパ フランス共和国 AD1530 フランス王国

 1530〜96 フランスの思想家・政治学者。ユグノー戦争(1562〜98)の渦中に全6巻の『国家論』(De la republique, 1576 )を著し,国家主権の絶対性・最高性・恒久性を主張した。ときにフランス国内は,宮廷をめぐる貴族の争いが市民層をも巻き込んで新・旧両教派の内乱に発展し,王権は危機に直面していた。そうしたなかで,大商人・上層市民・高等法院の官僚などを中心に,ポリティーク派と称する新勢力が形成され,いわば中間派として台頭してきた。彼らは宗教的寛容と王権の擁護を通じて国家の統一と平和を維持し,それによって自分たちの地位や権益を確保しようとしていた。ボダンはその代表的思想家であった。国家は主権によって統一され,主権者は立法者として既成の法の拘束を受けることなく法を制定し得るとする彼の理論は,近代の主権論の出発点をなすものであったが,同時に絶対王政を弁護する王権神授説に理論的基礎を与えることにもなった。