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●戊戌夢物語 ぼじゅつゆめものがたり

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 夢物語ともいう。高野長英の著述。1838年(天保9)10月起稿。アメリカ船モリソン号が漂流日本人を送り帰しながら交易を求めて来航したとき,打ち払い論に対抗して,無署名の形で,夢物語の形式を借りて自らの思うことを甲乙問答の形式で,しかも夢に託して書いたものである。しかも迂遠な論理をつないで幕府の忌諱に触れないように用心深く書いたもの。長英は問1・問2ではイギリスの国情やモリソンのことをたずね,イギリスの位置・人口・国民性・植民政策・中国との交易の事情,ついで問3は長英自身の思想と考え方を示し,問4では打ち払いと蕃国問答,最後の問5ではその取り扱いをどうしたらよいかと質問している。かかる夢物語の擬態にもかかわらず,夢物語に対する反響は少なくない。そのなかには『夢物語評』『夢夢物語』のような反論書が出ている。後者は対話形式でかかれているが登場人物の一人は高野長英で,もう一人は批判者という形をとる。