●法華経義疏 ほけきょうぎしょ
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聖徳太子の著と伝えられ,いま御物となっている『法華経義疏』は,4巻の巻子よりなる。鳩摩羅什訳の妙法蓮華経に対する注釈書。本書と『維摩経義疏』3巻,『勝鬘経義疏』1巻とを併せて三経義疏として世に称せられる。御物本の形状は,原形のままでなく,奈良時代に補修された形跡を示すが,用紙は南朝―隋系の黄褐色に染めた薄手麻紙を用い,一紙は縦24.8cm,横50cm平均となっている。途中,書き損じなどのためか,短い紙が混じっており,また行間の書き込みや貼紙をしての訂正がかなり多くみられることから,本書が草稿本であるとされ,太子親筆の根拠の一つとなっている。内容は,中国梁代の光宅寺法雲などの説によりながらも,独自の解釈を展開していて,大乗仏教としての立場を貫いている。なお近年の敦煌写本の研究などによると,本書は中国隋代の仏典注釈書の節略本であった可能性が強く,太子真撰を疑問視する研究者も多い。〔参考文献〕花山勝信『法華義琉の研究』1933,東洋文庫叢刊
井上光貞「三経義疏成立の研究」『続日本古代史論集』中巻,1972,吉川弘文館
藤枝晃「勝鬘経義疏」『聖徳太子集』1975,岩波書店