●穂首刈り ほくびがり
AD
穀物の穂首だけを摘みとる収穫法。初期農耕段階に広く見られ,東南アジアまたわが国の対馬などでは,現代でもこの方法が行われている。穀類の栽培が開始された当初は,野生種の特質である種子の脱落性が強く,また稔熟期も穂首により一定しなかった。この穀類の野生的性質への対応策として,穂首刈りが生じたと考える向きが多い。わが国では,弥生時代のころ,石庖丁による稲の穂首刈りが行われた。しかし古墳時代には鉄器化した穂摘具がほとんど認められず,代わって鉄鎌が普及するところから株刈りへの移行を想定する人が多い。栽培種としての安定化と,それに伴う直播から田植えへの移行が関係するだろう。ただ,令制では租は稲穂の形で徴収することになっている点,これを遺制と見るのか穂首刈りの持続と考えるのか問題が残る。