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●北元 ほくげん

アジア 中華人民共和国 AD1368 明

 1368〜1388(至正28〜天元11)元朝崩壊後,モンゴルに逃れた残存勢力の政権を言う。1368年(洪武1・至正28)南京で帝位についた朱元璋は,翌年北伐を開始し大都(北京)に迫った。元の順帝は戦わずして一族を率いて長城を越え上都(開平)に逃れた。しかし明の将軍常遇春・李文忠の追撃を受け,応昌(遼寧省)まで落ちのびてここで没した。その子アユルシリダラ(愛猷識理達臘)はカラコルムに逃れ,昭宗と称し,年号を宣光とし元朝回復を計ったが成功せず,明軍の圧力のもとで1378年(天元1)没した。その子トグス=ティムール(脱古思帖木兒)が継いだが,1387年(天元10)満州にあって北元の左翼勢力を形成していたナハチュ(納哈出)が明にくだり,翌年には明将藍玉の率いる大軍の攻撃を受け,皇子・皇妃ら十余万人が捕えられた。トグス=ティムールもカラコルムへ逃亡中部下の手で殺された。この時点で北元は崩壊したが,成立直後から明への投降者が絶えず,明では彼らを軍事力として利用し永楽帝の靖難の変などでも活躍が見られる。