●北欧三国 ほくおうさんごく
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デンマーク・スウェーデン・ノルウェーの北ヨーロッパにあるゲルマン系国家の一般的呼称。三国は人種的にも近くすべて立憲君主制をとり,デンマーク領であるユトランド半島やグリーンランドを除けば,スカンディナヴィア半島およびその周辺の島から成る国家であり,歴史上も共通した点をもっているところからこのように呼ばれる。【北ゲルマン人】スカンディナヴィア半島やデンマークは,知り得る限りにおいてはゲルマン人の原住地であると言うことができる。ゲルマン人の一部は中・西ヨーロッパに先住していたケルト人を制して南・西進し,前500年ごろにはライン下流に達し,一部は南・東進してヴィスワ川に沿って進んだ。この移動の際,スカンディナヴィア半島からユトランド半島にかけて残ったのが北ゲルマン人で,ノルマン人・デーン人・ヴァリャーグ・ヴァイキング・ルスなどの別称で呼ばれる。北欧三国の地域には,すでに前2,000年ごろから北ゲルマン人が定住し部族ごとに生活していたが,三国はともに9世紀ごろまでに統一王権を樹立したものと考えられる。
【ヴァイキング時代】ヴァイキング(ヴィキング)とは入江や湾を意味し,転じてそこに住む人をさすようになった。北ゲルマン人であるヴァイキングは,固有の民族神を信じ漁業や農業に従事しながら「サガ」や「エッダ」といった伝承文学を生みだした。航海術に長じていた彼らは,人口増加を主要因として,8世紀から11世紀ごろにかけて,いわゆるヴァイキング時代と呼ばれる海外膨張の時期を迎え,イングランド・アイスランド・グリーンランドからロシア・アメリカ大陸・地中海にまで及んだ。それは略奪や海賊の代名詞とされたが,本質的には商業にあったのかもしれない。ともかく,イギリスではデーンロー地帯を設けさせ,ロシアではノヴゴロド王国を建設,フランスではノルマンディ公国(ルビコウコク)を認めさせ,諸国にノルマン対策を強いた。
【カルマル連合】11世紀ごろになると,三国にはキリスト教が普及してキリスト教的統一王国が強化されたが,一面では民族的伝統を重んずる勢力との間に紛争が絶えなかった。キリスト教化が遅れたことによって,北欧神話と呼ばれる古ゲルマン的な神話や伝承が比較的純粋な形で残された。
14世紀ごろから三国の統合が進み,1397年には同君連合に入り1521年にスウェーデンが独立した。これがカルマル連合と呼ばれるもので,デンマーク王ヴァルデマール4世の娘でノルウェー王妃であるマルグレーテが,父と夫の死によって両国の実権を握り,スウェーデン王アルプレヒトを破ってカルマルにおいて同君連合を結んだものである。ここにデンマークが主導権を握るヨーロッパ最大の王国が出現した。後デンマークの圧政からスウェーデンが離脱し,三十年戦争後,北方戦争にかけてはむしろスウェーデンがバルト海の雄となった。ノルウェーは1814年,ナポレオン戦争の結果デンマークの支配を離れ,スウェーデンと同君連合に入ったが,以後,近代国家としての体制を整備し,1905年スウェーデンとの関係を解消して独立するのである。
【共通点】デンマーク・スウェーデン・ノルウェーはいずれも北に位置し,冬期には寒気が厳しく日射時間が短い。また国土面積の割に有効面積が少ない(たとえばノルウェーは3%)。これらの自然条件が接近した生活様式をもたせ,言語が近いこともあって近親感を相互にもっていることも事実である。さらにこれらの国では社会保障制度が発達していて,最も進んだ福祉国家であり,清潔で計画的な都市設計や国づくりを進めており社会も進歩的で安定している。
これらの国がスカンディナヴィア航空を共同して設立したり,貨幣単位も価値は異なるが,クローネ・オーレといった同一名をとり,相互に使用を認めていることなどにも,近親感が示されている。ただし,それは三国の独自性を侵すものではなく,相互信頼によるものである。
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