●法隆寺百済観音像 ほうりゅうじくだらかんのんぞう
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国宝。長身痩躯の特異の姿によってよく知られているこの観音像は,もと金堂の内陣の釈迦三尊像の背後に北面して安置されていたが,今は大宝蔵殿に納められている。この観音像の伝来の経緯は明らかでなく,江戸時代の『古今一陽集』などにようやく現れる。かなり後になって他の寺から法隆寺に移されたものと考えられている。像高は209.4cm,本体はクスノキの一本造りの彩色像で,蓮華座と水瓶はヒノキで造られている。一時虚空蔵菩薩と呼ばれていたこともあるが,後になって発見された宝冠に阿弥陀化仏が線刻されているので観音像であることは明らかであろう。ほのかな笑みをたたえたやさしい顔立ち,整然とたたまれた衣文は彫りが浅く,細身の本体に密着するが如く,天衣は本体の左右に垂直に長く垂れてその長身を一層際立たせる。その造像様式は飛鳥時代の作品ではあるが,北魏様式を受けた止利仏師風のそれとは異質のものである。
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