50音順    検 索

●抱朴子 ほうぼくし

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国,晋代,葛洪の著作。書名は彼の号による。内外両篇から成り,317年(建武1)に撰し終わった。内篇はそれまでの神仙道を集大成したもので,道教理論の最も体系的な論述の一つ。懐疑論者との対話形式で,仙人は古来記録に出ているし人知は優れているから,技術を駆使すれば仙人になれるのだという二点を論拠に仙人実在証明と不老長生術の開示をする。その術には,仙薬・導引(体操)・胎息(呼吸法)・房中(交接の術)・護符・存思(精神統一)などがあるが,とくに黄金の不変性を模倣せんとし,錬金術で得た金丹・金液を服用するのが最上とされる。仙人に天上の天仙・地上に残る地仙・棺より抜けた尸(し)解仙を数え,また丹薬を求めて入山する際の歩行法まで記してある。科学的に,水銀の可逆反応を知っていた点は興味深い。外篇は晋代の政治・社会・風俗に対する批評が述べられ儒家的だが,これは葛洪が道教修行者にも儒家的徳目の実践を要請していたこととかかわる。外篇末には自伝が附されている。日本にも奈良時代に伝来し読まれた。