●法服貴族 ほうふくきぞく
ヨーロッパ フランス共和国 AD
フランス絶対王政期に見られる官職貴族。中世末期から近世にかけて伝統的貴族(剣の貴族)が没落する一方,新たに台頭してきたブルジョワジーは地位の向上をはかるため官職を購入する傾向があった。1604年のポーレット法により売官制と官職世襲制が確立されると,ブルジョワジーは高位の司法・財政・行政官職を求めやがて貴族身分に叙せられた。法服貴族は高等法院など最高諸院に基盤をもち,剣の貴族と対抗する勢力をなした。ラモワニョン家・ドルメッソン家・セギエ家はその代表的存在である。17世紀に頻発した民衆蜂起の要求項目の一つには売官制の廃止がある。モリエールやラ=ブリュイエールなどは,成り上がりの法服貴族を諷刺した。その後,法服貴族と剣の貴族は婚姻などを通じて融合され,18世紀には特権を守るため王国改革に反対する反動勢力となった。