●法の支配 ほうのしはい
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何人も公平な法の支配の下にあり,専制権力や“人の支配”を認めない法至上主義の原則である。17世紀のコークが〈王といえども神と法の下にある〉というブラックトンの語を援用して王権に対抗して以来,イギリス政治の基本原理となった。イギリスでこの原理は,具体的には裁判における陪審制・慣習の尊重や議会主義となり,王権や行政府の恣意を否定するうえで大きく寄与した。アメリカでは法の支配は論理的帰結として司法権優越(法令審査権)の法理を導いた。大陸法系の国にも三権分立の原理としてある程度移入され“法治国家”の理念となった。しかし,ドイツの場合は重要事項のみ法律で規定し,大幅な行政の自由裁量を認めるなど行政権優位から完全に脱却し得なかった。旧憲法下の日本も同様である。しかし今日,法の支配の原理は,社会の複雑化,国家機能の高度化・専門化のもとで,事実上,行政権優位を不可避の状態としているのである。