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●庖丁 ほうちょう

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 食料品をはじめ,繊維類・竹・木工などを切ったり割ったりするのに用いる民具。古くは石器時代の石庖丁に始まり,石庖丁形鉄器となり,各時代の文書にも出てくる庖丁を通じて現代に続いた。庖丁の語は,庖(くりや)の丁(よほろ)すなわち庖丁人・料理人より転じて品物となった。多く使用されるのは家庭の台所で使用する料理庖丁・菜切り庖丁であり,魚類料理の出歯庖丁である。出歯庖丁は形からいえば厚手庖丁であるが,1700年ごろ(江戸中期)に堺の庖丁鍛冶で前歯の出た出歯の男が打ち出したので,そのあだ名を取って出歯庖丁と名づけた。庖丁は用途によって,布や紙を切る裁ち庖丁,煙草葉を刻んだ煙草庖丁,蚕の桑を刻む桑庖丁,畳屋の使う畳屋庖丁など,それぞれの職人の用途によって使いやすい形や刃のつけ方を何百年かを通して改良し,工夫して苦心製作してきたものである。日本の刃物は鋼と鉄を打ちあわせてつくる。鋼が一方にあるのを片刃と言い,中央に鋼を割り込んだものを両刃と言う。

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