●法治国家 ほうちこっか
AD
国家統治権の発動が,あらかじめ議会の議決を経た法律に基づいて行われるべきであるとした国家。本来,専制君主が恣意的な統治を行った絶対主義国家・警察国家に対して,国民の自由と権利を保障しようとするものであった。広い意味で法治主義は法の支配と同義語として用いられるが,19世紀のドイツの法治主義とイギリスの法の支配とは違った形をとっていた。法治国家では,議会による立法,法律による行政および法律による裁判を条件とする。すなわち,権力分立主義が法治国家の基礎をなしている。しかし,大幅な天皇大権や官僚立法のもとにあった日本やドイツでは官僚政治を保障する結果となった。すなわち,重要な事項のみ法律で規定して,それ以外は大幅に行政の自由裁量を認め,行政上の争訟は司法裁判所と系統を異にする行政内部に設置した行政裁判所の管轄としており,行政権優位から完全に脱却しているとは言えなかった。