●保元物語 ほうげんものがたり
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保元の乱を素材とする軍記物語。『保元記』『保元合戦物語』と題する伝本もある。3巻。原作者については,藤原時長(『醍醐雑抄』)・中原師梁(『参考保元物語』)・源喩僧正(『旅宿問答』)の名が伝えられ,藤原長方とする考証もあるが確証はない。姉妹編とされる『平治物語』と同一作者の作か否かも不明。成立年代も未詳。1297年(永仁5)の序文をもつ『普通唱導集』に,琵琶法師が〈平治・保元・平家の物語,いづれも皆暗んじて滞りなし〉であったとある。鎌倉時代末には,琵琶法師の“語り物”として語られ流布していたことがわかる。1156年(保元1)7月10日の合戦を中心に,保元の乱の顛末をその遠因から経過・後日談まで詳細に描く。日次の日記の様式を基本的骨格とし,武勇説話・神明説話・合戦談などで肉づけしている。とくに合戦における源為朝が英雄として大きく造型されている。歴史評論に傾斜する伝本もある。