●法印 ほういん
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『法印経』という仏経のなかから出た詞で,大別すると次の二つの意味がある。一つは三法印〈諸行無常・諸法無我・涅槃寂滅〉,それに〈一切皆苦〉を加えた四法印などのように使用され,仏すなわち真理であることを示す印・標識を意味する。今一つは古代僧綱の位階で,法印大和尚位の略。これは『三代実録』に見えるもので,864年(貞観6)に真言宗の僧真雅の奏請によって,法印・法眼・法橋の三種が設けられ,法印は僧正・大和尚に授けられた。後にはしだいにこの制が崩れて,僧以外の俗人にも授けられるようになり,1077年(承暦1)には木仏師に授けられたほか,画師・武家・坊官・儒者・医師などにも授けられ,山伏もこれを称した。山伏の場合は権大僧都法印を極官とし,これを別に大越家とも言った。東北地方の修験集団を代表する羽黒山では,36度以上の入峰をとげ最高位にのぼった松聖がこの位を称するのである。〔参考文献〕『修験道章疏』,『総合解題』,日本大蔵経所収,1977,鈴木学術財団