●方位 ほうい
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自らを取り巻く空間を定位するに際して規準とする,東西南北などの呼称一般を言う。方位の各々に吉凶があり,人の禍福もそれによって支配されているという考え方も伴っていることが多い。日本では,中国の易学や陰陽五行説などの影響が強いが,朝鮮の風水思想のような体系は成立しなかった。方位は,四方・八方・十二方・二十四方などに分けられ,吉方・凶方が定められ,年によってその意味も変化したりする。吉方に位置を変えて行事を行う方違えの考えはこれに基づくものであり,凶方にいる金神(こんじん)の方角への旅行や普請なども忌まれるなど禁忌が伴っている。外来思想であるが,最も恐れられたのは鬼門(丑寅)の北東と,裏鬼門(未申)の南西であり,その方位に屋敷神や寺を置いたりもした。戌亥(西北)も,霊的存在のやってくる方位である。江戸時代には,方位を見る家相師も活躍した。最近では,方位観の研究として,方位に伴う聖俗・優劣・浄穢・吉凶の意味づけを,人間の文化の所産として把握し社会構造や霊的存在と関連付ける世界観の考察が盛んに行われ,日本の沖縄・インドネシアのバリ島・南米のインディオなどの文化的背景をもつ空間定位のあり方が明らかにされつつある。