●ホイジンガ
ヨーロッパ オランダ王国 AD1872
1872〜1945 オランダの文化史家。フロニンゲンの生まれ。すでにギムナジウム時代に語学の才能を表し,大学ではフロニンゲン・ライプツィヒにおいてサンスクリット語と比較言語学を学ぶ。1897年ハーレム市の市民学校の教師,次いで1903年アムステルダム大学インド学私講師となる。しかし,このころから彼の関心は自国の歴史へと向けられ,1905年『ハーレム市の成立』の一部を発表し,その年に旧師にあたる法制史家ブロックの熱意によりフロニンゲン大学教授となる。1915年からはレイデン大学に移り,1940年ナチス=ドイツによる同大学閉鎖に至るまで学者として活躍,またその間オランダ王立アカデミー歴史・文学部門議長を務めた。彼は“20世紀のブルクハルト”と称せられるように各時代の文化史を専門とし,その代表作『中世の秋』(1919)は,14〜15世紀のブルゴーニュ−ネーデルラントの生活・思想・芸術の諸形態を描いたものであり,中世末期の文化をルネサンス前史とせず,これを中世文化の終末と捉えている点に彼独自の構想が表れている。そしてホイジンガによれば,この中世末期の文化の基調とは一種の夢と遊びであった。この遊びの問題はさらに『中世の秋』と並ぶ代表作『ホモ・ルーデンス』(1938)において直接扱われることになる。そこでは彼は遊びの本質とその表現形態を考察し,遊びは文化を生みこれを支えるものであるという結論を導いている。なお,上記以外の主要著作として,さらに『エラスムス』(1924),『文化史への道』(1930),『17世紀のオランダ文化』(1932)などがある。〔参考文献〕堀米庸三「ホイジンガの人と作品」世界の名著55『ホイジンガ』1973,中央公論社
高橋英夫訳『ホモ・ルーデンス』1971,中央公論社