●編年体 へんねんたい
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年代を追って事実を記す歴史叙述の一体裁をいう。中国では,すでに魯の史官がつくり孔子が筆を加えたという『春秋』をはじめ,筍悦の『漢紀』や袁宏の『後漢紀』なども編年体をとっている。最も代表的な名著は宋の司馬光編『資治通鑑』(294巻)で,周から五代にいたる1,300余年の史実を年代順に示し治乱興亡の全貌をおのずと明らかならしめようとしている。しかし,編年体では事件の推移をつかみにくいため,すでに司馬遷は,本紀・世家・列伝・表・書よりなる紀伝体の『史記』を編さんし,この史体が以後の正史に用いられている。また,編年体史を項目別に分類して歴史の原因・経過・結果の順に記す史体を紀事本末体といい,南宋の袁枢編『通鑑紀事本末』(42巻)に始まる。一方,日本では,『日本書紀』以下の六国史も『大日本史料』も,年月をおって事実を記しながら,天皇一代ごとに区切りをつけて崩薨卒の日に伝を立てるという編年・紀伝両体の長所を併用している。ただ,江戸初期に林羅山・春斎父子が編修した『本朝編年録』(のち『本朝通鑑』と改名し完成。正編40巻,続編230巻)は,中国の『資治通鑑』,朝鮮の『東国通鑑』にならった編年体の代表的史書である。〔参考文献〕増井経夫『史通−−唐代の歴史観』1966,平凡社
坂本太郎『日本の修史と史学』1958,至文堂