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●ベンサム

ヨーロッパ 英国 AD1748 ハノーヴァー・ウィンザー朝

 1748〜1832 イギリスの哲学者。功利主義の主唱者,ロンドン生まれ。父は弁護士,母はアンドーヴァの商人の娘だった。オックスフォード大学卒。弁護士を好まず自然科学を研究,フランスに遊学して唯物論の洗礼を受けた。人間生活の根本原則の解明を企図,イギリス経験論の伝統から,人間を支配する快楽と苦痛の2大要素を考え,それを質と時間から量的に測定可能とし,人間行動の原理として快を求め苦を減らす功利主義を提唱した。そして社会はこの功利で動く人間の集合体であるとし,そこから“最大多数の最大幸福”の命題が導かれる。この考えから当時権威のあったブラクストンの『イギリス憲法註解』を批判,より徹底したデモクラシーすなわち普通選挙,秘密投票,年次議会などを提唱し,また個人の自由を根拠に「小さな政府論」や高利貸の自由まで主張した。また植民地を富の源とする考えを批判,コモンローの成文化により法学者の恣意的解釈を排除しようとした。これらの背景に自然法=自然調和の思想を発見できると同時に,近代的立法の手続きをへて初めて,自然権は有効な権利となるとの近代理論も見出せる。彼の思想をもとに“哲学的急進派”が出現し,社会の近代化民主化に努力した。リカードの自由主義経済学とともに,産業資本家層の理論的武器となる。19世紀前半を“ベンサム主義時代”と評する(ダイシー)くらい,時代に大きな影響力をもった。

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