●弁指 べんざし
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古くは弁済使という言葉がなまったものと考えられ,地域によって,べざい,ベざし,べんざい,べらしなどとも呼ばれる。弁済使とは,半不輸の荘園で貢祖を領主には納めずに,国衙へ納入分を精算する役人のことであった。やがてその役人は在地の地主や領主になり,村役人のような役を引き受けるようになる。つまり中世から近世に移るに従って,弁済使は弁指と呼ばれるようになり,村の庄屋相当の役人や漁撈の中心人物を指すようになった。主として九州の漁村において使われており,魚見や地引網の頭(かしら)など,漁労組織での重要な人物のことである。種子島では,魚見の補助役がこの名で呼ばれている。また地方によっては,えびすをまつる司祭者を呼ぶ。『日萄辞書』には,〈ベンザシとは漁夫の頭であり,ときに農夫の頭を呼ぶ〉とある。漁業関係に多いのは,かつての弁済使が水路の交通に関与していたためかもしれないが確証はない。