●ヘレネ
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ゼウスとレダの娘。別説によれば,ゼウスとネメシスの娘であるともいわれる。それによれば,ネメシスはゼウスとの交わりによって卵を生み,そこから生まれたヘレネをレダが育てた,といわれる。彼女は長じて絶世の美女となり,メネラオスと結婚した。メネラオスはスパルタの王となったが,トロイアのパリスが彼女を奪う事件がおこった。3人の女神ヘラとアテナとアフロディテが美を競い合ったことに端を発する。彼女たちは最も美しい女神の判定をパリスに委ねた。ヘラは全アジアの支配権を,アテナは戦いにおける勝利と知を,アフロディテはヘレネとの結婚を,それぞれにパリスに約束し,彼はアフロディテを選んだ。彼はスパルタに赴いてヘレネをトロイアに連れ帰った。メネラオスが母の父にあたるカトレウスの葬儀に列席するために旅立ったとき,パリスがヘレネを奪ったとも,彼女がパリスの美貌に誘われたとも,暴力でさらわれたとも,アフロディテがパリスをメネラオスの姿に変えて彼女を誘ったともいわれる。いずれにしても,パリスがヘレネを奪い去ったことがトロイア戦争の原因となった。ヘレネはギリシア先住民族の女神で,豊穣の女神であり,それが人間化されて絶世の美女になったのである。