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●ペレ

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 マウナ=ロアの中腹,キラウエア火口一帯のクレーター群を眺めるとき,その規模の雄大さに一驚する。火の女神ペレはハレ=マウマウ(永劫の家)の火口に住んで永遠の劫火を吐きつづけ,ハワイ人は溶岩の脅威と破壊力の象徴として,ペレ信仰と存在をつくりあげた。よりモダンには「マダム=ペレ」の名で火山の恐怖は現代人の心に引き継がれている。伝説では,はるか南方のハパクエラの地からやって来たといわれるが,タヒチの天地創造歌『神の系譜』の末尾に〈地熱は大地の火の女神ペレを造った〉とあるから,これがハワイにもち込まれ,火山信仰と結びついて独自の発達を遂げながら,カーネ・カナロア・ロノ・クーの4大神をしのぐ大神となったのであろう。ペレは北のマウナ=ケアに住む女神ポリアフとは対照的な存在である。ハワイ島はホットとクールな女神たちの支配する島であり,地質的には若い島だが,「脆(もろ)い大地」,テラ=ファーマなのである。