●ベルベル勅令 ベルベルちょくれい
ヨーロッパ フランス共和国 AD1930 フランス共和国第三共和政
1930年5月16日,フランス保護領下のモロッコで公布された法令。モロッコをアラブ地区とベルベル地区に区分し,前者ではイスラーム法(シャリーア),後者ではその土地の慣習法による裁判を定めている。ただし,イスラーム法や慣習法の適用については,民事に限られ,刑事事件については,フランスの刑事裁判権下におかれることが定められた。すなわちこの法令は,スルタン,ムハンマド=ブン=ユースクの名で発令されたが,フランス植民地当局の意図に沿ったものであり,一方ではスルタンの権限とイスラーム法の適用範囲を制限し,他方ではかねてからのべルベル政策(ベルベル人優遇策による分割統治策)をさらに一歩押し進めるためのものであった。しかしこの法令は,イスラームの危機という認識から,モロッコ人側の一致した反発を招き,これがのちの民族主義運動の発端となったことはよく知られるところである。