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●ヘラス連盟 ヘラスれんめい

ヨーロッパ ギリシャ共和国 BC338 

 カイロネイアの戦い(前338)の後,マケドニア王フィリッポス2世の主宰によって,スパルタを除く全ギリシアが結成した同盟。コリントス同盟ともいう。コリントスに全ギリシアポリスの代表を召集したこの同盟においては,フィリッポスはその盟主に選ばれ,マケドニア王権の安定,各ポリスの自由自治の保障,現存国制の維持,内政不干渉,陸海交通の安全,普遍平和の維持と,決議違反に対する共同制裁が決定された。連盟の決議機関としての総会は代表出席者の過半数を定足数とすること,5名からなる同盟評議会はポリス間の争いの仲裁裁判,条約違反者の審議と処罰告示を行うことが決められた。フィリッポスは前337年に第2回総会を召集し,この同盟を基盤としてペルシアに対する戦争を宣言するとともに,自らは全権将軍に選ばれた。前336年に彼が暗殺されたのち,アレクサンドロス(後の大王)が後を継いで同盟の指導者となった。前334年に始まったペルシア遠征における3万5,000の彼の兵力のうち,1万2,000がヘラス連盟軍であった。前330年,アレクサンドロスはペルシア帝国を滅ぼした後に,ヘラス連盟の任務完了を宣言して,これを解体した。この連盟の目的は超ポリス的民族国家をつくることではなく,現存の体制維持,すなわちポリスの分立状態を承認したうえで,マケドニアの指導権を確立することであった。ことに軍事問題はマケドニア王の決定事項であり,ペルシア遠征はヘラス連盟を背景として行われたのである。連盟の条約が強く求めたギリシアの全般的平和と現状固定は,遠征中の後方の安全を保障するための手立てであった。