50音順    検 索

●ヘラクレス

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 ゼウスとアンフィトリュオンの妻アルクメネの子。アルゴスで生まれた。生まれたときにゼウスの妃ヘラの乳を吸って不死身になった,といわれる。夫ゼウスの浮気を嫉妬したヘラは,生まれて間もないヘラクレスを殺そうとして2匹の蛇を赤子の臥床に送ったが,彼は立ち上がって蛇を締め殺した。生長するに及んで,彼は武術と音楽を学んだ。18歳のとき,キタイロンに棲むライオンがテスピアイの王テスピオスの牛を殺したので,彼は王の宮殿を根拠地として,50日にわたってライオンを退治し,その頭を冑として皮を身にまとった。この狩からの帰途,彼はオルコメノスの王エルギノスの徴税吏を殺したために王と戦って破り,オルコメノスに貢納を納めていたテバイを助けた。テバイ人の王クレオンはその返礼に娘メガラをへラクレスに与え,彼らのあいだに8人とも3人ともいわれる子が生まれた。その後,ヘラクレスはヘラによって狂気にされ,妻子を殺そうとしたが,アテナによって正気に戻された。正気に帰ったヘラクレスは自らを追放に処し,ティリンス城に住んでエウリュステウスに12年間奉仕し,ここで12の功業を上げた。12功業が完了した後,彼はテバイに帰って妻メガラを自分の甥イオラオスに与え,再婚のためにオイカリアの王エウリュトスの娘イオレを得ようとしたが,エウリュトスは彼がかつて狂ったことがあることを知って,これを拒んだ。彼は再び発狂してエウリュトスの長子イフィトスを殺したために大病にかかり,デルフォイの神託に治癒の方法を乞うたが拒絶されたので神殿を略奪し,アポロンと戦った。ゼウスがこの戦いのあいだに入って,3年間奉仕してエウリュトスに殺人の償いを支払えば治癒するであろうとの託宣を与えられたので,彼はリュディアの王女オンパレのもとに奉仕したが,エウリュトスは償いを拒否した。オンパレへの奉仕が終わって病を癒した後に,彼はトロイア遠征,アウゲイアス王朝の征服,ピュロス城攻略,ヒッポコオン征服,ラピテス人との戦いを行った。この後ヘラクレスはオイカリアに赴いてエウリュトスに報復し,イオレを捕えたために,彼の妻となっていたディアネイラの嫉妬を買い,ケンタウロスの1人ネッソスのことばを信じた彼女が彼の下着に塗ったヒュドラの毒に全身をおかされ,自らを火葬に付した。ヘラクレスは天上でヘラと和解した,といわれる。ヘラクレス伝説はこのような武勇伝から次第に彼を超人間的な英雄にし,その過程で物語が次々に加えられたために,前後関係のはっきりしない,矛盾した伝説圏を形成した。

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