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●ベーメ

ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1575 ハプスブルク朝

 1575〜1624 ドイツの神秘主義的哲学者。ゲルリッツ近郊の貧農の家に生まれたが,病弱のため靴匠を志し,各地を遍歴したのち1599年,ゲルリッツに定住した。本業のかたわらパラケルススらの神秘主義思想に触発され,自らも1612年,『アウロラ』に独特な自然哲学を発表,一部の貴族層に崇拝者を得たものの,ルター派教会当局に〈異端〉とされて,亡命した時期があった。すべては神に由来し,人間は神的根源に帰ることによってのみ救われるとするその思想は,錬金術的自然哲学とキリスト教神秘主義を統合した一種の汎神論とみなされたが,神もその自己啓示のためには否定的契機を自ら有していなければならないという弁証法的世界観は,やがてシェリングやバーダー,ヘーゲルらにより高く評され,哲学史上に異彩を放つこととなった。のちの敬虔主義やドイツ=ローマン派文学には,ドイツ精神に深く根ざした彼の思想の影響をみることができる。