50音順    検 索

●蛇聟入り へびむこいり

AD 

 異類求婚譚に属する昔話で,苧環(おだまき)型と水乞型に大別される。苧環型は,毎夜娘の許に通ってくる男の衣に糸を通した針をさす。翌朝,糸をたどって行くと,洞穴のなかで針の毒に苦しむ蛇が,娘に子種を宿したことや,そのおろし方を親蛇に話している。それを立ち聞きした娘は,3月3日の桃酒を飲んで蛇の種をおろす。苧環型は『古事記』『風土記』をはじめ『平家物語』など多くの文献に記録されている。生まれた子供が,越後の五十嵐小文治のように,地方の名家の始祖となって活躍する英雄誕生を説く場合もある。

 水乞型は,旱魃に苦しむ父親が,田に水を当ててくれた者に3人娘の1人をやると呟くと,蛇がきて水を入れる。末娘が針千本と瓢箪をもって嫁に行き,池に浮かべた瓢箪を蛇に沈めさせ,そこに針を投げ入れて殺す。この話は,後半でしばしば姥皮のモチーフと結びついて語られる。水乞型には,蛇を水界の霊とする信仰のあとが色濃く残留している。