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●蛇 へび

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 蛇はその長い醜い姿が色々な連想を生み,世界各地で,神話伝説や民間信仰に,超自然力をもつ存在とされている。好んで水辺に出現することから,水の精霊とされ,河川湖沼などの神ともされたし,また風雨・雷電などの神ともされた。雷電との結びつきは,そのジグザグな稲妻の形状が,蛇にみたてられたのでもあろう。日本古代でも,雷神は蛇体であったし,雨の神のオカミも,谷間のミズチも,みな蛇体とされていた。こうした水との結びから蛇は豊饒や財福の精霊とされることも多い。ホピ=インディアンの蛇祭りや日本のお宇迦さまなど。またその頭部の男根状から,しばしば淫性の動物とされ,人の女を姦したり,女の人身御供を求めたりする邪悪な存在とされる。高度な宗教の下では,悪的な面が強調され,神の秩序の破壊者である悪魔と同一視され,人類の罪の起源がこれに帰せられることが多い。未開民族では,その脱皮の能力が,生命の更新と結びつき,蛇は再生もしくは復活のシンボルとなっている。

〔参考文献〕南方熊楠十二支考」『南方熊楠全集』1971〜75,平凡社